ヴォラーレは、資金繰りが付かなくなったため、2004年11月19日から運航を休止しています。
VAエアー・ヨーロッパ・ヴォラーレ航空(Air Europe VOLARE)のチケットレス航空券を予約するための覚え書きです。ヴォラーレはイタリアの格安航空会社で、同国を発着する路線を多数擁しています。スペインとイタリアの間を移動するなら、真っ先に検討しておきたい航空会社です。
地図を見るとバルセロナとローマは地中海を挟んで向かい合っていますので、あたかも川崎から千葉へ行く気分になるかもしれませんが、とんでもない。直線距離にして800km、東京‐福岡と同じぐらい離れています。鉄道旅行を計画するのは、体力的にきついものがあります。バルセロナ発ローマ行きの国際長距離バスをALSA社が運行しているのですが、怖ろしいことに所要20時間30分です。それでいて片道105ユーロと、ここで紹介する航空券の2倍近い料金を取られます(寝台列車は、もっと高い)。ユーレイルパスを買う前に、航空券を早期割引で買えないかを確かめてみるのが得策でしょう。それでも鉄のかたまりが空を飛ぶなんて信じられないという人は、衰弱死を覚悟して陸上交通に乗ってください。ちなみにこのバス、始発のマドリッドから終点ナポリまで走っていまして、乗り続けると33時間30分かかります。この路線を考えついたことの方が不思議です。
なお、当サイトの別項目で紹介しているUXエアーエウロパ(Air Europa)は、スペインの航空会社です。名前が良く似ていますが、別物ですのでご注意ください(^^;)
以下、予約手順です。2004年6月時点での情報をもとにしています。
ヴォラーレ航空のウェブサイトに接続します。
初期画面はイタリア語です。右上にある候補の中から選んで表示言語を切り替えます。ここでは[English]にした場合で解説します。
左端に並んでいるのが、メニューです。まず[Timatable]から時刻表を取り寄せてください。[Origin:出発地]を空港リストの中から選び、[Destination:目的地]は “All airports” にしたままで検索します。
時刻表の読み方で注意しておきたいのは、次の点です。
おおよその日程が決まったら、[Booking]から空席の検索を行います。
この画面は、2004年7月13日、VLCバレンシア発FCOローマ行きの大人片道料金を照会したものです。該当する日に運航する便が無ければ、“Previous/Next day”で前後の日を検索できます。料金が2種類表示されていますが、さくっと安い方を選んで“Submit”。
ちなみに4週間前を切ると、同じ区間の料金が 《39.99ユーロ》 と高くなっていました。逆に、競争の激しい区間だと 《9.99ユーロ》 なんてものが見つかることもあります。
オープン・ジョー(降り立ったのとは別な都市から帰りの便に乗ること)は指定できません。私は今回、往路をVLCバレンシア‐FCOローマ、復路をMXPミラノ(マルペンサ)‐VLCバレンシアという旅程にしたため、片道航空券を別々に購入しています。往復割引があるわけではないので、片道だけ欲しいという場合にヴォラーレは便利です。ただ、決済の都度に販売手数料の6ユーロ(後述)がかかるので、同じ区間を往復するならまとめて予約した方がお得です。
確認画面に移ります。ここで、航空券本体の料金(29.99ユーロ)に、空港利用料等(20.28ユーロ)が加わります。諸費用の内訳は、“details”をクリックすると表示されます。
警告文には、“Lowest Fare”の場合、払い戻しはできないこと、旅程変更には25ユーロが必要であること――等が記載されていますので、読んでおきましょう。
注意書きを読み終えたら、小計の右隣にチェックを入れて、“Submit (SSL)” をクリック。
個人情報の記入です。性別、名前、苗字を搭乗者の数だけ記入していきます。姓と名を逆にしないよう気を付けてください。なお、この上にある注意書きでは、搭乗の際にはパスポート(もしくはそれに準じる身分証明書)の提示が必要であると述べています。
その下には、支払いをする代表者の連絡先を記入していきます。
記入項目はたくさんありますが、最も重要なのは“E-mail”です(2度記入)。メールアドレスを間違うと連絡が来ませんので、慎重に入力してください。
“Retain detail...”は、ここで入力した内容を保存するかどうか(Cookieを生成するか)です。チェックを入れておいた方がいいでしょう。ただし、あなた個人だけが使うコンピューターではない場合には、チェックを入れてはいけません(個人情報が流出する危険があります)。
“Sign me up”は、ヴォラーレ航空からの広告を必要とするかどうかです。送付を依頼するならば、チェックを入れます。
入力した内容を念入りに確認して、“Submit”を押します。
支払いに移ります。ここで販売手数料(6ユーロ)が加算されて、請求額が確定します。今回は、《56.27ユーロ》 になりました。最初の表示額(29.99ユーロ)に比べると倍近くなっています。ま、それでも十分に安いですが…… 競合他社と比較する場合には、ここで表示された金額で検討してください。この画面まででしたら、やり直しがききます。
支払いに利用できるのは、VISA、MasterCard、AMEX、Dinersです。クレジットカードの番号は、空白やハイフンを入れずに、続けて入力します。有効期限は、月/年の順ですからお間違えなきよう。
ここで入力する氏名は、パスポートの表記と一致している必要があります。つづりが違っている場合には、カード会社に相談し、再発行を受けてから購入手続をしてください。
“Buy Now” を押すと、購入の申込みになります。
警告が出てきます。これ以降、ブラウザーの「戻る」「中止」「更新」を押してはいけません(二重に課金される事故の原因になります)。心静かに“OK”をクリック。金融機関との情報のやり取りが終わるまで、しばらく待ちます。
最終画面に辿り着きました。“Confirmed”となっていれば、予約に成功しています。
しかし、未だやるべきことが残っています。ヴォラーレ航空はチケットレスですので、紙の航空券がありません。この画面の写しが、航空券の代わりになります。プリンターを用いて、この画面を印刷しておかなくてはなりません。
数分後には、メールでも連絡が来るはずです。できれば、メールが到着するのを確認するまで、この画面を閉じるのを待った方がいいでしょう。メールには、より詳細な情報が記載されていますので、こちらも印刷しておきます。
あとは予約した日に、(1)予約画面を印刷した紙、(2)予約に使ったクレジットカード、(3)パスポートを持って空港のカウンターへ出向き、搭乗券と交換します。チェックイン期限は、出発時刻の40分前です(もちろん数十分の余裕を確保しておくべきでしょう)。
ちなみに、ヴォラーレ航空に限らず、格安航空会社を利用する場合の留意点として、
バルセロナ空港の場合、 ヴォラーレ航空のカウンターはターミナルAにあります。空港バスで来た場合、最初に到着するターミナルです。同じ建物を利用するのは、U2イージー・ジェット、AFエール・フランス、KLMオランダ航空、AZアリタリア航空など。こじんまりしていて見通しも良いので、迷うことはないでしょう。
面倒なのが、MILミラノでの場合。2つの空港があり、ヴォラーレは両方に就航しています。OSA大阪に関西と伊丹が、TYO東京に成田と羽田があるようなものですね。
まず、LINリナーテ空港(Linate)。主に欧州系の航空会社が使用しています。ミラノ中央駅(Centrale F.S.)から、プルマンバスで所要30分。
対して、AZアリタリア航空やJL日本航空が使用するのは、MXPマルペンサ空港の第1ターミナル。ところがヴォラーレ航空は、同じ空港でも少し離れたところにある第2ターミナルから発着するのが一般的です。時刻表や予約確認画面では、《Malpensa T2》 と表示されています。交通手段としては、ミラノ中央駅から出発するプルマンバス(2社が運行)に乗車することになりますが、運転手に伝えておかないと第2ターミナルは素通りされてしまうので要注意。所要50分。