マジョルカ島 旅行記

▼ もくじ

  1. カテドラル / アルムダイナ宮殿 / ミロ美術館 / エンサイマダ
  2. ソーイェル / ベルベル城
  3. ドラック洞窟 / ポルト・クリスト

点描

Parc de la Mar Avinguda Gabriel Roca 沿道 Parc de la Mar
商店 歩道 建築 建築
アルムダイナ宮殿 大聖堂 大聖堂 大聖堂
アルムダイナ宮殿 ベルベル城 ベルベル城 アルムダイナ宮殿
教会 アルムダイナ宮殿 教会 遊歩道
バグパイプを吹く人 ミロ美術館 日没 ソーイェル鉄道の線路
オスタル前の路地 アルムダイナに浮かぶ月 アルムダイナの夜景 空港の搭乗橋
空港 昔の城壁(の南西の角)    

2004年3月6日 (土)

 マジョルカ(=マヨルカ)行きの往復航空券が65ユーロ(=8,700円)で買えたので、2泊3日で出かけてきました。マジョルカ島(Mallorca)は西地中海に浮かぶ島で、スペイン本土の東側に位置しています。08時50分バレンシア発のエアーエウロパ UX9281便に乗り込みました。ネット経由でチケットレス航空券を予約してあったのですが、発券はパスポートを見せるだけの簡単なもの。水平飛行に移ったと思ったら、あっという間に州都PMIパルマ・デ・マジョルカ(Palma de Mallorca)に着陸。40分もかかりません。新しい立派な空港で人口の割りに大きく、観光客でにぎわっていることがうかがえました。

 空港前のバス停から1番線に乗り、30分ほどで中心部へ(1.8ユーロ)。降りるバス停を1つ間違えてしまい、てくてく戻るはめになってしまったのですが、11時には予定の宿泊施設にチェックイン。旧市街の中心にあるオスタル・アプンタドーレスHostal Apuntadores)にしたのですが、共同シャワーのツインをシングルユースにして1泊27ユーロとお手頃でした。経営者も感じのいい人で、ここならお薦めできます。

 荷物を置いて、早速市内観光に出発。まず旧市街の中心にある観光案内所に行き、無料の地図と交通機関の時刻表を入手。階段の下にあるので、ちょっと見つけにくいかも。すぐに戻って手近なバルに入り、生ハムとチーズを挟んだボカディージョ(スペイン風サンドイッチ)を食べながら計画を立てる(炭酸水とあわせて4.4ユーロ)

 12時00分、まずはカテドラルCatedral)へ。1587年に完成したものですが、前世紀に行われた改修の際にガウディが製作した天蓋飾りがあることで知られる大聖堂です(入場料3.5ユーロ)。この建物、海岸から見たときの姿が美しくて、滞在中、近くを通りがかるたびに見とれていました。真っ青な空に良く映えるのですよ。

 12時30分、隣にあるアルムダイナ宮殿Palau de l'Almudaina)へ。もともとはアラブ建築だったそうですが、現在ではスペイン国王の別邸として利用されています(入場料3.4ユーロ)

 旧市街をぶらぶらと散策して、14時に昼食。ボルン通り沿いにあるレストランのテラス席に陣取り、日替わり定食(Menu del Dia)を注文。1皿目は健康のために野菜サラダ、2皿目は牛カツレツ(escalope)。味付けにとんかつソースではなく、胡椒とレモンを使うというだけで、日本のものと大して変わりはないですよ。食後にチョコレート・アイスクリーム、仕上げにエスプレッソ珈琲を頼み、しめて12.3ユーロ。日射しは南国の楽園そのもので、ものすごくゆったりできます。

 ビールを飲んで気分が良くなっていたのと、バスの停留所がわからなかったのとで、歩いてミロ美術館Fundacio Pilar i Joan Miro)へ。
――1時間かかりました(^^;) 中心部から4kmほど離れているので、ここへはバスかタクシーに乗って行ってください(入場料4.8ユーロ)。さて、ここなんですが…… 近代美術に強い興味を持っている人でないと、行かない方がいいかもしれません。展示されていたものの中にスケッチがあったのですが、幼稚園児の描いた落書きじゃないの?と思いました。

 帰りは坂を降りたところからバスに乗り(運賃1.1ユーロ)、ランブラ通り(Rambla dels Ducs)で下車。あてどなく旧市街をさまよい歩いてみました。マジョール広場(Pl. Major)に行こうとしたのですが、なかなか見つからない。なんと、ランブラ通りの突き当たりにある階段を昇った上にあるのでした(汗) 広場を貫く南北の通りが商店街になっています。お洒落なお店がたくさん並んでいて、ウィンドウを眺めて歩くだけでも楽しいところです。

 マジョール広場の地下には、コンスーム(Consum)というスーパーマーケットがあります(日祝定休、21時まで)。ここで食料品を調達。エンサイマダensaimada)というマジョルカ名物の菓子パンを買ってきて、翌日の朝食にしました。うずまき型のママレード入りパンとでも言いましょうか。

 21時、宿泊場所の並びにあるバルに入る。マッシュルームのニンニク炒めが湯気を立てて並べられていたので注文し、ビールとパンとで軽い夕食(4.6ユーロ)。美しくライトアップされたカテドラルと、透き通った月の光を見ながら夜道を散歩して帰還。

2004年3月7日 (日)

 マジョルカ島(マヨルカ島)滞在2日目。島の北西海岸に行ってみました。パルマ・で・マジョルカのスペイン広場から出ているソーイェル鉄道に乗車。90年以上前に建造されたという、古い木造車両が使われています。毎日10時40分に観光列車が出発するのですが、駅に行ってみると10時10分の臨時便があったので、即座に乗車(運賃6ユーロ)。アーモンド畑の中を突っ切っていく、のどかな路線。途中、目的地を見下ろす高台に停車します。

http://www.trendesoller.com/

 11時20分、ソーイェルSoller)着。まずは駅構内のバルで珈琲を飲み、目を覚ます。街の中心にそびえる教会と、その前にある小さな広場が素敵な町でした。鉄道駅の正面から出る路面電車に乗り換え、海岸を目指します(運賃1ユーロ)。これまた木造のレトロな車両。車両の右側には柵も何もなく、下手をすると転げ落ちます(笑)

http://www.sollernet.com/

 15分ほどで、港町ポルト・デ・ソーイェル(Port de Soller)に到着。港を囲むように飲食店やお土産屋さんが並んでいます。私には観光地化しすぎているように思えたので、次の路面電車でソーイェルに引き返しました(30分間隔で運行)

 13時20分、手近なバルに入り、ボカディージョ(スペイン風サンドイッチ)とビールで昼食。14時00分、帰りの列車に乗車(運賃2.47ユーロ)。ぽかぽかした柔らかい日差しにうとうとしながら、車窓を眺める。

 15時00分、パルマに戻る。駅前からバスの3番線に乗り(1.1ユーロ)、20分ほど揺られてプラサ・ゴミーラ(Plaza Gomila)で下車。進行方向後ろ側へと戻り、最初の角で左側に曲がって坂道を登っていくと、10分ほどでベルベル城Castell de Bellver)に着きます。日曜日は入場無料。高台の上に建つ円形の見晴台で、パルマの街と港とが一望の下に見渡せます。

 再びバスに乗って旧市街へ戻り、17時15分、回教徒浴場(Banys Arabs)へ(1.5ユーロ)。1,000年ほど前にアラブ人が造ったものらしいです。暇を持てあましているイスラム愛好家の方でしたら行ってみてください(無理していくほどのものではないよ、っていうことです)

 陽が西に傾いてきた時間帯には、ぜひ海岸沿いの遊歩道を散策してみてください。のんびりできる、とても素敵な場所でした。なぜか地中海に向かってバグパイプを吹いている人がいたのですが、「スペインらしさ」の薄いこの島では違和感もありませんでした。

 潮風の匂いを楽しんだあとでバルに入り、ビールとクロケータ(croqueta)で夕食。これが日本に伝わって「コロッケ」になりました。味も同じ〜

2004年3月8日 (月)

 マジョルカ(マヨルカ)島、滞在3日目。09時10分、オスタル・アプンタドーレスをチェックアウト。夕方まで荷物を預かってもらうことにする。

 町中を眺めながら歩き、09時50分、駅の裏手にあるバスターミナルへ。ベンチにいたおじさんから乗車券を買う(6.35ユーロ)。そのすぐ後、女性2人連れがやってきました。“Doce con setenta”と言われているのに「いくら払えばいいんだろ?」と(日本語で)言うものだから、つい「12.7」と(日本語で)答えてしまいました……。そんな成り行きで、帰りまでご一緒することに。福岡の大学の生徒さんで、卒業旅行に来たのだとか。あの、誤解の無いように行っておきますと、私の方から声をかけたわけではなくて、先方がバスの中で話を聞きに来たんですよ〜

 さて目的地は、島の東海岸にあるドラック洞窟Coves del Drac/Cuevas Drach)。1896年にエドゥアール=マルテルによって発見された、この島最大の鍾乳洞です。地学と鉱石が大好きな私としては、ここを外すわけにはいきません。途中の沿道には、マジョルカ島名物の風車を見ることが出来ます。所用1時間40分で、港町ポルト・クリストに到着。バスはぐるっと半回転し、バス停の後ろにある道を5分ほど登って到着。車内放送も何もなかったので、危うく乗り過ごすところでした。気をつけましょう。

 さて、このバス停で降りたのは4人だったのですが…… なんか、わらわらと老人クラブの貸切バスがやってきます。その数、およそ300人(汗) 入場時刻が決まっているため、一時に大量の人が押し寄せることになります。おかげで、とんでもない混雑でした。

 残念なことに内部の撮影が禁止だったので写真をお見せできないのですが、とても良いところでしたよ。時間をかけて行ってみる価値は十分にありました。以前、山口県の秋吉台(秋芳洞)に行ったことがあるのですが、それに比べると、鍾乳石の表面は水分少な目で色黒、針のようにとんがっていました。30分ほどかけて進んでいくと、湖面に出ます。これが、長さ177mで世界最大の地下湖マルテル湖(Lac Martel)。で、この湖に面した斜面がコンクリートで固められ、全員が座れるだけの客席が設けられています。あ然。美しい自然をそのままに、という発想は無いようです……。全員が着席したところで、イベント開始。3席の小舟が、音楽を奏でながら湖面を滑ってきます。

 小演奏会が終わったところで、順次退場。「船でお帰りの方は左へ、歩いてお帰りの方は右へどうぞ」ということだったのですが、相談の結果、船を選ぶ。が、「あのぉ、船の終点って、あそこですよね?」と視認できるほどに短距離であることが判明したため、橋を渡って帰ることに変更。約1時間の地底見学を終えて帰還すると、そこにはクジャクが……。なぜ??

 さて、13時。帰りのバスが14時45分なので、ちょっと待ち時間がある。女性2人組は食事をしないということだったので、1人で昼食をとりにいくことにする。坂道を下っていくと、ほどなくポルト・クリストPort Cristo)の市街地に着く。海沿いに飲食店が軒を連ねていたので、適当なところを見つくろって定食を注文。1皿目はスープ、2皿目は舌ビラメのムニエル、飲み物はビール、食後にアイスとコーヒーで、しめて10.9ユーロ。店を出た後、目の前の海岸を散歩してきましたが、砂は白くてきれいだし、入り江の湾曲具合も適度、海の色は鮮やかで、保養に来るならいい所でした。海中が眺められる遊覧船も出ていたのですが、そこまでの時間はなかったのであきらめました。

 14時50分、ちょっと遅れてバスが到着。先ほどの女性2人組も乗っていました。ところが、話を聞いてみると、一度この市街地まで降りてきたのだとか。往路、「アルハンブラ宮殿の入場券は、ここにもある銀行(BBVA; ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行) の支店で簡単に予約できるんですよ〜」と話しておいたのですが、空き時間に買いに行こうということになったらしい。で、バス乗り場がどこか自信が無かったので来た道を戻り、ドラック洞窟前のバス停から乗ってきたのだとか。お疲れさま。

 16時30分、パルマ・デ・マジョルカに戻る。ここで女性達とは別れ、旧市街へ。17時30分、司教区美術館(Museu Diocesa)へ。祭壇画を収蔵しているとのことだったのですが、要は礼拝堂の壁に集めた絵画を飾り付けてあるというもの。宗教画は嫌いじゃないのでいいとして、これで入場料3ユーロというのは釣り合わないというのが偽らざる感想。

 日も暮れてきたので、これで観光を切り上げることにする。オスタルに戻って荷物を受け取り、少しばかりチップを渡す。それからバスの1番線に乗って空港へ。所用30分。チェックインを済ませ、空港内の売店を見て回ることにする。それほど多くはないけれど、必要なものは一通り揃っていました。みんな、競い合うように銘菓エンサイマダ(ensaimada)の入った八角形の箱を抱えているのが面白い。出発のアナウンスを聞いていると、就航しているものの2/3はドイツ行き。ウェブサイトの紹介も “.de” で終わるものが多い。マジョルカ島は、ドイツ人にとってのハワイなのです。

 本屋さんに入ってみると、ドイツ語のものが並べられていて、ここがスペインなのが自信がなくなってきます。ふと、ピンクの髪でツインテールでセーラーという、なかなかグッとくる雑誌に目がとまったのですが―― 

と、書いてあります。ドイツ語はすっかり忘れてしまったはずなのに、なんとなく読めてしまうのはなぜ?(笑) 写真を手がかりに読み進めてみたところ、特集は「実写版セーラームーン」、コスプレ講座は「東京ミュウミュウの髪留めの作り方」でした。やおい漫画も収録されていたので、女性向けと思われます。ヴァルハラは、存外に近いところにあるような気がしてきました。

 あ、最後に。マジョルカ産の真珠のことを、マジョリカ(Majorica)って言うんですよ。♪ピリカピリララ

▼ 備考

  1. 情報は、2004年3月時点のものです
  2. 執筆時において、1ユーロ(Eur)は140円に相当します
  3. 市観光局が配布している市街地図(英語版)は、こちら (PDF, 1.4MB)
    http://www.a-palma.es/

▼ 関連サイト

 マジョルカ島を旅された方々の旅行記
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かもん さん
横尾矗 さん
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Suze さん

estabished: 14/mar/2004
(C) 2004 おおいしげん
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